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「まぁ今日は休息をとろう。明日は朝から練習だ」
「そうだねー」
「はい……」
「了解です……」
カインの号令に三人は頷き、それぞれが「お休み」と言って個室に戻った。
まだ調度品はないけれど、二人の部屋にベッドだけは用意されていた。
――深夜の3時頃。
月は雲に覆われて、街灯の光だけが街を灯している。
そんな中、ラスターの部屋のドアが開く音がして、重なるように足音がした。
再び足音が聞こえたと思えば、すぐに止まった。
そこはラスターの寝台の前だ。
寝台の前に立つその人物は、カインに違いなかった。。
赤と緑のオッドアイは、右目の赤い目だけが妖しく光っている。――まるで血を吸ったように。
その目は、血に酔ったような気分にさせるほどだ。
「君なら、使いこなせるだろうね……」
そう言うと、カインはその場から立ち去った。
翌日、妖しく光っていた赤い瞳は、いつものような鮮やかな赤に戻っていた。
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