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咆哮だけで、ラスターを圧しつぶす勢いだ。。
モンスターが恐ろしいのは、躊躇や容赦がないところだ。
そんな事を思ってる間に、ギカンティスが迫っていた。
ギカンティスの拳は、ラスターの眉間に向かって振り下ろされる。
ラスターは咄嗟に横に跳んで、それを避けた。
しかし、ギカンティスの攻撃は終わらない。
そこに拳が横薙ぎに振るわれ、裏拳となって襲い掛かる。
ラスターは慌て体を伏せると、その隙に懐に飛び込み、剣を振るった。
「これなら……っ!」
剣を切り上げ、そのまま空へと舞い上がる。
しかし、ギカンティスはそれを難なく防御した。
――無意味に飛び上がるな。
ニヤリと顔をゆがめた化物が、そう囁いたような気がした。
空中で無防備なラスターを狙う一撃は、避けられるはずがない。
(やば……ッ!!)
ここぞとばかりに、ギカンティスの力を込めた拳が無防備な腹部に叩き込まれた。
内臓が破裂するような激痛が込み上げ、呻く間もなく――ラスターの意識は刈り取られた。
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