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アミティエとリリスは、森の入り口に近い場所で、話をしていた。
「ラスター…大丈夫かな…」
「大丈夫だって!カインも行ったしね」
『ちっ違う! 寝てた訳じゃ…ぁぁあああ』
森の奥のどこからか、言葉にならない叫び声が聞こえた。
その声に驚き、鳥達は慌てて羽ばたいている。
「大丈夫でしたね」
「でしょー。さぁこれで安心して特訓ができるよ」
アミティエが暗い話から解放されたのが嬉しかったらしい。
元々前向き思考であり、カインを信用しているアミティエにとっては、心配すらしていなかったのだろう。
リリスも心配事から解放されたため、笑顔で頷いた。
「じゃあ、早速特訓しよう!」
「はい!」
「目標はラスターね。カインに負けたくないし!」
「が、頑張ります!」
「それに優勝商品ほしいし!」
「優勝商品ですか?」
すぐにリリスが聞き返した。
教師から、そんな話は出ていないはずだ。
「そう! なんと王都セレスティアの旅行券!」
「わぁ! みんなで行けるんですね」
「そう! そのためにもがんばるよ!」
「はい!」
叫び声から離れた場所、二人は意気投合をしていた。
意外にも二人の波長は合っているようだ。
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