■学園内大会予選

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  「んっ……」     ――すっきりと意識が目覚めたのは久しぶりだった。 ラスターは寝癖のついた髪を触りながら、タイムラグを入れることなく立ち上がった。 ――今日は、学園内大会予選の当日。 昨夜の就寝前から、ラスターの準備は万端だった。 特訓は無事終わった。 最後の10日間はアミティエ組と合流して、戦術を踏まえた実戦を行った。 自信と実力がついたと、目に見えてわかるほどに成長したはずだ。   少なくともラスターはそう思っている。 部屋を出てリビングに行くと、既に三人は集まっていていて、カインによる朝食も並べられていた。 「おはよう」 「あっ、おはよう。ラスター」 「おはよー」 「よく寝れた~?」 リリス、カイン、アミティエの言葉に「もちろん!」と答えて、ラスターも椅子に座った。 そして、逸る気持ちを吐露した。 「いよいよ、今日か……」 「そうだね……。ラスター、今日は頑張ろうね」 ああ、とラスターは力強く頷いた。 一ヶ月前の二人なら、『せいぜい怪我しないように気をつけよう』だったかもしれない。 「まぁ予選だし、気張ることもないよ?」 台所にて皿を洗っているアミティエが言った。   ベーコンを口に含んだカインも、同意するように頷いた。 「ふぉうふぉう。……んっ。ふう」   「ふたりは余裕があって羨ましいよなぁ」 ラスターがそう呟くと、リリスは「そうだね」と言って微笑んだ。 ここ一ヶ月でラスター達が知ったのは、彼らが二年生の中でも有数の実力者だということだった。
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