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「以上で、開会式を終了します。
現在、予選の対戦表を公開しました。
電光掲示板にてご確認ください」
開会式が終わると、その場に人々が入り乱れた。
一部は電光掲示板を確認しに行き、また一部は友人と会話をしている。
ラスターは後者で、予め指定された集合場所に向かった。
すると、そこには既にリリスがいた。
「カインとアミティエ先輩は?」
「まだ来てないよ。先に掲示板を見に行ったのかもしれないね」
リリスがそう言うと、ラスターは納得したように頷いた。
そして、視線をその電光掲示板に向けた。
かなり遠いけれど、田舎育ちで視力が高いせいだろうか。
それが容易に見れてしまったラスターは、田舎者という考えに少しばかり気分を落とした。
「私はCブロックだったの」
「えーっと、俺は……Dか! 危ない危ない……」
「アミティエはLに、俺はGか」
二人が横を見ると、いつの間にかカインとアミティエが立っていた。
最初の頃を思い出して、ラスターは「なんかデジャヴ」と呟いていた。
「二人が離れてて良かったよね」
アミティエがそう言うと、二人も頷いた。
その横でカインは電光掲示板を見て、安堵の溜め息を漏らしている。
「リリスは特に注意するのは居ないな。ラスターは……、まぁ大丈夫かな、じゃあ俺とアミティエは観客席に居るからね」
「ああ。誰であろうと、勝つ!」
「特訓の成果、見せてあげなよ」
「はい!」
二人の言葉を胸に刻み、ラスターとリリスは選手待機室へと移動した。
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