■学園内大会予選

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選手待機室には、顔見知りもいれば、知らない先輩もいた。 意気揚々といった雰囲気よりも、緊迫した雰囲気に近い。 避けるように、ラスターとリリスは端のほうに固まっていた。 『只今の結果をお知らせ致します。  Aブロック代表、四年生カロル選手  同じく四年生アート選手です』 試合終了のアナウンスが流れた。 やっぱり四年生なのか。 そういった空気が、周りにいた一年や二年から漏れていた。 「やっぱり、四年生が勝ち上がってるな」 「そうだね……」 そんな中でも、ラスターはあまり気にしてはいない様子だ。 リリスも、不安というよりは緊張のほうが近い。 それからまた、しばらく経って―― 『Bブロックの結果をお知らせ致します。  Bブロック代表。四年生ライン選手  三年生ソルト選手』 AとBの代表が決定した。 つまり、リリスのいるCブロックが間もなく始まることを意味していた。 「そろそろだな。リリス、緊張するなよ?」 「うん、頑張るよ……!」 緊張するなよ、と言われ たのに、リリスは自分を追い詰めるような真似をしていた。 それを見て、ラスターは苦笑を浮かべている。 『Cブロックの試合を開始します。  選手の方は移動をお願いします』 「いってくるね!」 「いい知らせを待ってるぜ」 二人はお互いに微笑み、頷きあった。 リリスは踵を返すと、がちがちに緊張しながら試合会場に駆け足で移動していった。 「信念は願いを成就させる力、か」 ラスターはそう呟いて、準備運動を始めた。
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