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もちろん、さっきの魔法には弱点がある。
普通の魔法のように、放つ位置――魔方陣を移動することができない。
リリスの攻撃は周囲に対して、より警戒を強めた。
――平地からの奇襲攻撃というのは少ないよね。それなら、先手を打っても問題はない……かな。
リリスは意を決したような瞳を見せ、銃弾を一つだけ変えた。
「最初から使っちゃうなんて危ないかな? でも……仕方ないよね!」
平地においての近接戦闘に、リリスの勝ち目はない。
かといって、さっきのような魔法には誰もかからない。
それを理解したうえで、リリスはまたも銃弾を上空に放った。
乾いたかんしゃく玉のような音が響く。
バカの一つ覚え――
しかし、魔法とは種類が異なる術式が、空に浮かんだ。
それを見て、選手だけじゃなく観客もざわめいていた。
カインも目を見開いて、それを注視している。
「アミティエ……、まさかあれ……」
「私は苦手だったんだけどね。あの子、ちょっと天才すぎかも」
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