第一章 ―運命、出会いと共に―

4/8

42229人が本棚に入れています
本棚に追加
/709ページ
  正午。合格者発表の時間だ。 人々が波のように流れ込んでいくため、何もしなくても進んでいく。 そして人々が囲ってる中心には、巨大な掲示板が立っていた。 その掲示板には大きく【合格者一覧】と書かれている。 「どっちか落ちても恨みっこなしだからな」 「不吉なこと言わないでよ……」 ラスターが薄い笑みを浮かべて言うと、リリスはうつ向きながら呟くように返した。 しかし、ラスターの額には冷や汗が伝っていて、緊張しているのだとわかる。   自分の方が落ちる確率は高い。そう理解しているからだ。 見易い位置に二人は何とか移動すると、ラスターは自分の受験番号を必死に探し、リリスは御祈りするように手を胸の前で合わせながら探しはじめた。  ■王立アカデミー・合格者(各学科)■ その紙の二段目にはそう書かれていて、自分の志願した学科の中から自分の番号を探すのだ。  
/709ページ

最初のコメントを投稿しよう!

42229人が本棚に入れています
本棚に追加