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試合終了のアナウンスと共に、リリスはダークドラゴンの頭を撫でて、どこか虚空へと消し去った。
虚空に掲げた手には、先ほどの銃弾が握られている。
――勝った、勝ったよ。ラスター!
リリスはホッと安堵の息を漏らした。――時。
「貴女、凄いんですね。モンスターを使役するなんて」
すぐに緊張状態に戻り、リリスは慌て後ろを振り向いた。
すると、そこには美しい顔立ちの女性が立っていた。
女性のリリスですら見惚れてしまいそうなほどに美しい女性が。
「今は逃げていたけれど、本選では是非戦いましょうね」
マリンブルーの瞳を細めて、女性は優雅に微笑んだ。
一本一本が絹のように美しい銀色の髪を揺らしながら、女性は立ち去った。
リリスは解いたはずの緊張が、また紡がれていたことに気付くと、気持ちを入れ換えるべく自分を励ました。
「……すっごく綺麗だったなぁ。でも、これで本選に行ける! がんばろ!」
そう呟いて、リリスはラスターの試合を見るべく、フィールドと繋がっている控え室に向かった。
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