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「久しぶり! シオン先輩!」
今度はアミティエが、シオンに語りかけた。
カインとは違い、先輩に対してと考えれば馴れ馴れしいほどでもある。
「おお!アミティエも久しぶりじゃないか! ……ああ、再開を楽しみたい。しかし、俺は試合なんだよな……。またな!」
「ばいばーい!」
「……さようなら」
「カイン、そんなに悲しい表情を見せるなよ……。俺だって悲しいんだ……。レイナちゃんの凛々しい姿が見れなくてな……」
見た目とは真逆。
クールなんてイメージは簡単に覆される男だ。
「レイナちゃん! 今いくよ!!」
カインは心の中でそう思った後に、「黙ってればかっこいいのに」と呟いた。
――そう、彼は無類の「レイナ好き」だ。
異常なまでにレイナを愛し、ストーカーのごとく付きまとっている。
学園で最も有名な人物といえば、大半が『シオン』というほどだ。
それほど彼はレイナが大好きで、なによりも――最強だった。
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