■学園内大会予選

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  試合会場に入って、開口一番にラスターは呟いた。 「カインの嘘つき……」 Dブロック、つまりラスターの戦いが始まろうとしていた。 しかし、ある問題点がある。 「フェイト先輩にエイテル先輩……」 ラスターの視線の先には、二人の人物が談笑をしている。 余裕を見せるのは、予選は通過点に過ぎない、学園大会は慣れたと思う人物だけだが――二人はどちらも当てはまっている。 「フェイト先輩にエイテル先輩は騎士学科で有名な人じゃねーか! どこが大丈夫だよ!」 そう、視線の先の人物はラスターの所属する騎士学科の有名な人物である。 フェイトと呼ばれる人物は、190くらいあるだろう身長に、筋肉質で重装備の男。 エイテルと呼ばれる人物は、細身で170程度の身長の女性。 フェイト、エイテル、カインと言えば、二年で3強と言われる人物だ。 「まるで眼中に無いよな……俺」 フェイトとエイテルは互いににらみ合い、他の選手などまるで眼中に無い様子であった。 (俺だって強くなったのに…!) しかし、それはラスターの負けず嫌いな性格をくすぶり、闘志を増す要因になった。 『Dブロックの選手が揃いましたので  移動を開始します。  ――今回は《森》です』 ラスターは平衡感覚を失うこ瞬間に、目を瞑った。 そして開いた時には、そこは木々に囲まれた森だった。 嫌な思い出がよみがえる。 『試合――開始!』
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