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試合会場に入って、開口一番にラスターは呟いた。
「カインの嘘つき……」
Dブロック、つまりラスターの戦いが始まろうとしていた。
しかし、ある問題点がある。
「フェイト先輩にエイテル先輩……」
ラスターの視線の先には、二人の人物が談笑をしている。
余裕を見せるのは、予選は通過点に過ぎない、学園大会は慣れたと思う人物だけだが――二人はどちらも当てはまっている。
「フェイト先輩にエイテル先輩は騎士学科で有名な人じゃねーか! どこが大丈夫だよ!」
そう、視線の先の人物はラスターの所属する騎士学科の有名な人物である。
フェイトと呼ばれる人物は、190くらいあるだろう身長に、筋肉質で重装備の男。
エイテルと呼ばれる人物は、細身で170程度の身長の女性。
フェイト、エイテル、カインと言えば、二年で3強と言われる人物だ。
「まるで眼中に無いよな……俺」
フェイトとエイテルは互いににらみ合い、他の選手などまるで眼中に無い様子であった。
(俺だって強くなったのに…!)
しかし、それはラスターの負けず嫌いな性格をくすぶり、闘志を増す要因になった。
『Dブロックの選手が揃いましたので
移動を開始します。
――今回は《森》です』
ラスターは平衡感覚を失うこ瞬間に、目を瞑った。
そして開いた時には、そこは木々に囲まれた森だった。
嫌な思い出がよみがえる。
『試合――開始!』
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