■学園内大会予選

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  「魔を焼き尽くす業炎の風」 どこからか笑声混じりの詠唱が聞こえてきた。 マナの集まり方を見る限り、この森ごと焼き尽くすのかもしれない。 あいにく炎の魔法の発動タイミングなら、カインに嫌というほど身をもって味わわされた。 ラスターはタイミングを見計らい、木々を蹴って上空に跳んだ。 そして、   「フレアストリーム」 あちこちの魔方陣から、炎の柱が放たれた。 それは竜巻のように渦を巻き、森を焼き尽くしていくだけではなく、燃える木々を一箇所に集めていく。 「な……なんつう魔法だよ……」 この量は、一人では発動できないだろう。 真下を見ると、多くの選手達が脱落していこうとしていた。 「つっ……落ちる……!」 飛翔した体が重力に引っ張られ、地面に着地すると、見事に草木は焼け焦げていた。 木々はずっと端に寄せられて、薪のように燃え盛っている。 残ったラスターは、唯一平然としている二人に声をかけた。 「エイテル先輩にフェイト先輩……」 「あら? 意外……残っていたのね」 エイテルはラスターに向き直り、妖しく笑った。 後ろにはフェイトが居て、その巨大な斧で残っていた選手を薙ぎ払っている。 そして向き直ると、ラスターを見て目を丸くしていた。
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