42229人が本棚に入れています
本棚に追加
「ほぉ……一年のラスター・レジェンドか」
「あっれー? フェイト知ってんの?」
ラスターは名前を呼ばれて驚いたが、少し良い気分になった。
無名の自分が、有名な先輩に知られていたのだから。
「ああ、カインがパートナーだからな」
「ふぅん。まぁ、どうするの? あんたと私の勝負には邪魔だよ」
エイテルは怪しい含み笑いを、ラスターに向けた。
素直に降参すれば、痛い思いはしないよ。
サディスティックな視線が、ラスターにそう告げていた。
しかし、フェイトがそれを制して前に出る。
「私が始末しよう。カインの弟子とあれば、一ヶ月だったろうと楽しみだ」
「さっすが体力馬鹿♪」
そう言うとエイテルは、焼け焦げた一本の木を切断し、その切り株に腰を下ろした。
傍観に徹するようだ。
「一年だからと言って手加減はしない。行くぞ。ラスター!」
ラスターはその気迫に、少しばかり怯んだ。
荒々しい獣に似た重圧だ。
しかし、気持ちを落ち着かせて――負けじと叫んだ。
「望むところです!」
「ははは!よくぞ言ったっ!」
最初のコメントを投稿しよう!