■学園内大会予選

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  ラスターには自信があった。 自分の真価を発揮できるのは一対一だと、理解しているからだ。 身体能力を強化する『バースト』は、数時間も保てる。 そして相手はパワー重視で、こちらのスピードにはついてこれないだろう。 迫りくるフェイトは、やはり遅かった。 斧も小回りが効かないし、薙ぎ払うか振り下ろしか振り上げるか――読み易い。 「纏い炎ッ!(まといほむら)」 フェイトの咆哮と共に、斧から炎が噴きあがった。 そして炎を纏った斧が振り下ろされる――が、ラスターは難なく回避する。 バックステップを踏んだ。   そして振り終わりの隙を突いて、剣を突き出す。 「はぁっ!」 「甘いっ!」 剣が、鎧の表面を滑る。 そこに斧が薙ぎ払われるが、ラスターはそれも難なくかわした。 「なかなかやるではないか……」 (あれ?) おかしいな。 この人はカインに並ぶ3強の一人だ。 ――どういうことだ?   疑問に眉根を寄せるラスターを、フェイトは苦悶していると考えたらしい。 大きく笑って、斧を構えた。 「試合中は喋らない派か? すまないな」 フェイトは軽い笑みを浮かべたが、次には真剣な表情へと戻った。 そして斧を大きく振り上げた。
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