■学園内大会予選

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剣を流されたせいで、ラスターは前のめりになっている。 エイテルはそこを突いた。   「やっ」 「がぁっ!? ……ごほっ……ぅ!」 エイテルの剣の柄は、ラスターの首筋を的確に捉えていた。 ――激しい嘔吐感と目眩に襲われ、気を緩めれば意識を手放してしまう。 ラスターはそのまま地面に倒れこんだ。 「ふふっ。流石に驚いたわ」 ラスターを見下ろしつつ、エイテルが笑う。 「でもね。防御が全くダメ。それに攻撃が一直線すぎるのよ」 エイテルの言葉は、正しかった。 ラスターはその言葉に反論できず、ゆっくりと意識を手放していった。 ――ああ、この学園に入ってから二度目だ。 そう考えながら、ゆっくりと―― 「お疲れ様♪」 『試合終了!Dブロック代表  二年生エイテル・セイレーン  一年生ラスター・レジェンド』 一方、観客席はまたも盛り上がっていた。 「ま、上々だね」 「カイン、結局使わせなかったんだね?」 「予選だし、実力でやらせたかったんだ」 カインが微笑むと、その隣でリリスは慌てていた。 どうやらラスターが心配らしく、今にも飛び出しそうだ。 「ラスター、気絶したけど大丈夫かな……!」 「エイテルも手を抜いていたから大丈夫だよ。医務室に運ばれたと思うよ」 「私、いってきます!」 そう言ってリリスは慌ただしくも、医務室へと向かっていった。 「さて、ちょっと早いけど、俺らも行こっか」 「うん!」
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