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「うわぁぁぁぁああああああっ!!」
「きゃっ!」
絶叫と同時にラスターは体を起こした。
しかし、手や腹部を擦って、何もないことを確認すると安堵の息を漏らしていた。
「ど、どうしたの?」
ラスターが横を見ると、リリスが椅子に座っている。
広い医務室の一角に、二人はいた。
「いや、変な夢を見たんだ……」
「変な夢……?」
「ああ、大丈夫! もう復活!」
「そうなの? 良かったよ」
ラスターが明るく答えると、暗い顔をしていたリリスは笑顔になった。
(さっきのは……夢だよな?……最後、聞き覚えある名前を言っていたような。……っ! 思い出せない)
夢の中の記憶を思い出そうとしたが、やはり思い出せなかった。
眉根を寄せるラスターに、リリスは明るい語調で言った。
「そうだ! アミティエさんにカイン先輩、本選出場だよ!」
リリスは胸の前で手を合わせて、笑顔で話す。
それを聞いたラスターも、興奮して声を荒げた。
「ほんとか! これで皆本選突破だな!」
「うん!」
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