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『予選を突破した皆様、おめでとうございます』
ラスター達は最初に開会式を行った場所に居た。
そこには、本選へ出場する24人が揃っている。
やっぱり有名な人物が多い中――ラスターは、自分の近くにいる金髪の少年を見ていた。
どこかで見覚えのある顔だった。
『これから、この中の方々でゲリラ的なチームを組んで頂きます』
(カイン、リリス、アミティエ先輩、俺……後二人か)
『……申し訳ありませんが、前回優勝チームのリーダー、サブリーダーであります、
現三年シオン・ソフ・アウル
現二年カイン・ウィルキス
においては、同チームを禁じます』
「……ええっ!?」
そのアナウンスに、リリスとラスターは同時に声を上げた。
周りの人々の注目が集まる中、二人は構わず叫んだ。
「どうした?」
「前大会優勝チームだったのかよ!」
「ん?言ってなかった?」
「聞いてないよ!」
「ああ、まぁ知っといて」
陽気に笑うカインに、ラスターは少しばかり呆れた。
教えてくれていいことを、あえて教えてくれないことに。
『それでは、どうぞ』
アナウンスが終わると、選手は各々動いた。
ラスターは隣に居たリリスに向き直り、当然のごとく組んだ。
――しかし、横に居たはずのカインとアミティエが見当たらない。
「あれ?カインは?」
「さっきまで居たよね?」
二人は辺りを見回したけれど、やはり姿はなかった。
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