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「レイナちゃん! 二人、連れてきたよ」
その発言に、二人は一瞬戸惑った。
あれ、さっきのイメージと違う――と。
しかし、四人の姿が見えた時には、考え込む余裕もなかった。
「おかえり。……あら? 貴女は」
そう言った女性――レイナは、リリスを見た。
シオンと同じ、見惚れてしまう美女。
リリスもすぐに気付いて、頭を下げた。
「同じブロックだった方ですよね……!」
「ええ。リリスちゃん……だったかしら。宣戦布告したのに、チームになっちゃったわね」
上品な振る舞いで、レイナは柔らかく微笑んだ。
冗談だったのだろうが、リリスは真に受けて、頭を下げっぱなしだ。
その横で、シオンが言葉を紡いだ。
「まぁ四人の自己紹介をするかな」
そう言った青年が一歩前に出ると、銀色の髪を左手で押さえて爽やかに笑った。
「まず俺は、シオン・ソフ・アウル。レイナちゃんラブだ」
最後の言葉に、ラスターとリリスの描いていたシオンの像が、音を立てて崩れ落ちた。
それにいち早く察したレイナが言う。
「…これは気にしないで。私はレイナ・アルソート。よろしくね」
「「……よろしくお願いします」」
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