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「あ、あのね……ラスター……、私……」
未だに言葉が見つからず、リリスは立ち尽くしていた。
言葉が見つからない。慰めの言葉が……。
その時、呆然としていたラスターの目が微かに揺れて、ゆっくりとリリスの方に顔が向いた。
そのラスターの瞳から一粒の水滴が頬を伝っている。
涙で濡らすラスターは力無くリリスに抱きつき、肩を微かに震えさせていた。
驚いたが、リリスもそれを受け止めて優しく支える。
そしてラスターが嗚咽を漏らしながら、必死に言葉を紡いだ。
「リリスぅ……俺っ……俺っ……!!」
必死に言葉を紡ぐラスターを、リリスは悲しそうに目を細めて、背に回していた手の力を強めた。
「俺受かったよっ!!」
「……うんっ、…………ってええ!?」
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