■学園内大会本選前

10/14

42229人が本棚に入れています
本棚に追加
/709ページ
「レイナちゃんに見惚れたか! だが、悪いな……。レイナちゃんは俺一筋なんだ!」 「ちっ、違います!」 「照れることはないさ。ラスター、人は………おぶぁっ?!」 言い終わるより早く、シオンの端正な顔面が歪んだ。 そして地面を転がりまわり、ぴくぴくと痙攣していた。 「後輩を困らせないの」 鮮やかな曲線を描いていたのは、レイナの足だったらしい。 華麗な回し蹴りを喰らったシオンの顔は、嬉しそうだった。 「……ラスター……、そうだった……の……?」 いつの間にか、リリスは涙目でラスターを見つめている。 レイナは倒れたシオンに追い討ちをかけるように、踏み続けていた。 「あははは。面白い面子ですね」 「あぅぅ…、アルス、早く止めなよ…」 年長者の一人は笑いながら、もう一人はおどおどしながら、それを見つめていた。
/709ページ

最初のコメントを投稿しよう!

42229人が本棚に入れています
本棚に追加