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「レイナちゃんに見惚れたか! だが、悪いな……。レイナちゃんは俺一筋なんだ!」
「ちっ、違います!」
「照れることはないさ。ラスター、人は………おぶぁっ?!」
言い終わるより早く、シオンの端正な顔面が歪んだ。
そして地面を転がりまわり、ぴくぴくと痙攣していた。
「後輩を困らせないの」
鮮やかな曲線を描いていたのは、レイナの足だったらしい。
華麗な回し蹴りを喰らったシオンの顔は、嬉しそうだった。
「……ラスター……、そうだった……の……?」
いつの間にか、リリスは涙目でラスターを見つめている。
レイナは倒れたシオンに追い討ちをかけるように、踏み続けていた。
「あははは。面白い面子ですね」
「あぅぅ…、アルス、早く止めなよ…」
年長者の一人は笑いながら、もう一人はおどおどしながら、それを見つめていた。
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