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「さぁて、陣形を決めなきゃね」
赤く腫れ上がり、痣のついた顔のシオンが言った。
真剣なのだろうが、ラスターは笑いを堪えるのが大変だった。
「個々の能力なら間違いなく、私達のチームが上位でしょうね」
「そうね。問題はカインとアミティエのチームワークに、エイテル先輩の臨機応変な行動だわ」
アルスの言葉にレイナが捕捉する。
そこにシオンが、真剣なのに真剣にならない表情でまとめた。
「前衛は俺、ラスターで行く。……まぁ壁役だな。後衛はアルス先輩とレイナちゃんで頼む。そこを補佐するのはリリスとリディア先輩で」
各々が返事をし、内容が伝わったことを確認する。
ラスターとリリスは、四人の実力もわからないために頷くしかなかった。
「よし、詳細内容は……こっからはアルス先輩だな」
シオンが後ろに下がると、アルスが口を開いた。
「まずはシオンとラスター君は、一緒の行動をして貰います。この面子ならば兵力を分散させる必要もありませんし」
「わかった。よろしく、ラスター」
シオンが手を差し出し、ラスターと握手を交わす。
(前年度優勝チームの人か…足は引っ張らないようにしなきゃなっ!)
「リリスさんは、基本的に援護をして頂きます。場合によってはモンスターも援護に回してください」
「はい、わかりました」
リリスは軽く頷き、アルスが
「頑張ってください」と励ました。
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