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『チーム結成が完了しました。
チームリーダーを発表致します。』
アナウンスが入ると、放送の入った会場からも拍手が起こった。
拍手が終わるのを見計らって、再度アナウンスが始まる。
『Aチーム、カイン・ウィルキス
Bチーム、エイテル・セイレーン』
「やはりカインで来ましたか」
アルスは少しばかり表情を曇らせている。
それはレイナやリディアも同じだ。しかし、シオンだけは笑っている。
「シオン先輩?」
「ん?どうした?」
ラスターの言葉に、シオンは笑みを崩した表情に戻った。
あれ、今、笑っていたような――
そのせいでラスターは「いえ……」と言って口ごもっている。
『Cチーム代表、シオン・ソフ・アウル
Dチーム代表ウィルス・アムステル』
「初戦からカインと当たったら……厳しいな」
「そうね。結局は当たるけど、初戦からは免れたいわ」
ラスターの言葉にレイナが頷く。
「確か、リーダーを倒さなければ駄目なんですよね?」
リリスの問いかけにアルスが「はい」と答え、隣からリディアが言う。
「大丈夫。こっちにはシオンがいるからね」
「シオン先輩か……」
ラスターが呟き、隣を見ると――。
見慣れた光景のように、レイナに蹴られていた。
また何かしたのは明白だ。
「……心配だ」
「……うん」
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