第一章 ―運命、出会いと共に―

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  「お、落ちたんじゃなかったの!?」 「え?」 そう決めつけていたリリスにとって、合格よりそちらの方が驚いたようだ。 ラスターは小首を傾げていた。 「いや? 受かったよ。ほらこれ」 そう言ってラスターは合格者発表に指を差す。 ラスターの示した方向を目で辿って、合格発表に目をやると―― 【合格者・騎士学科】 ...352:ラスター・レジェンド 「ほら! リリスもあったんだろ? やったな!」 「そ、そうだね! ……あっ……」 ひとまず安堵したリリスも、喜ぶラスターにつられて微笑んだ。 しかし――今の状況に気付く。 先ほど大声をだして目立っていたうえに、今はラスターと抱き合っている。 つまり、一部の人々の注目の的だ。 今更ながらこの状況に恥ずかしさを感じたリリスは、頬を真っ赤に染めて茹であがった。 一方、ラスターは涙で顔を濡らしながら喜んでいる。 ラスターが落ち着いた頃には、空に黄昏の色彩が滲(にじ)んでいた。
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