■学園内大会本選

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  「……面倒な事になっちゃったわね」 「そうですね。リディアとリリスさんは何処か行ってしまいましたし」 レイナとアルスの前には、剣を構える青年に、短剣を構える女性がにじり寄っていた。 見るからにスピードタイプなため、魔法使いである二人には限りなく苦手なタイプだ。 「大人しく降参したらどうだ? いくらアルスさんでも、接近戦はできないでしょう。武器をもてない貧弱さなら、ね」 剣を構える男は、皮肉のつもりなんだろうか、わざとらしく笑っていた。 しかし、それは二人の火種をくすぶるバカな行動だ。 「品性が感じらないわね」 「全くです。……やりますか」 レイナは呆れた様子でレイピアを構え、アルスは「やれやれ」といった呆れ笑いを浮かべる。 しかし、男は余裕を見せる態度で笑っていた。 「へっ!手加減しないぜ?」 そう言うと、相手の二人はバックステップを踏んだ。 辺りを駆け回り、死角から攻撃するつもりなのだろう。 「アルス先輩、お願いしますね」 「はい、わかりました」
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