■学園内大会本選

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  同時に、アルスもバックステップを踏んだ。 そして、軽やかな身のこなしで瓦礫の上に立つと、詠唱を始めようとする。 詠唱させまいと、レイナの横を駆け抜けて、二人が飛び出した。 レイナは薄く笑っている。わざと見逃した、と。 「――以下省略」 「はっ……?」 茶目っ気を溢れるアルスの声に、突拍子もなく紫色の魔方陣が輝く。 ――詠唱破棄(スペルキャンセル)。 詠唱を省略し、記憶している術式を思い浮かべて発動する。 一見、便利なように見えるが、並大抵の者は扱えないし、魔力を二倍以上に消費してしまう。 けれど、この男は平然とやりのけた。 「――サンダーストーム」 魔方陣を中心に、凄まじい稲妻が、敵二人を襲った。 ――風の応用である雷の中級魔法だ。 髪が逆立ち、膨大な電流によって感電し、一瞬で失神してしまった。
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