■学園内大会本選

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  「ふむ! では我も本気といこう!」 カロルも突き刺していた鎌を抜き、両手で持ち上げて再び構えた。 だが、その姿勢のまま動かず、笑い出す。 「一つ言う」 「……?」 「魔法を詠唱させるつもりはないっ!」 そう咆哮したカロルは、鎌を突きだすようにした。 鎌の向くその方向には、リディアが詠唱している。 「我が鎌から放たれる真空刃に似た、風魔法を利用した――中略――風の弾丸を受けよ!」 長い!  リリスがそう言おうとした瞬間、鎌から圧縮された空気の球が放たれた。 ――しかし、それはリディアに届くことは無かった。 「モンスターだけでは無かったか……」 「て…、手が痺れますぅ……」 それを短剣で防いだリリスに、カロルは感心している。 しかし、あれだけ時間があれば防ぐことはできだだろう。 短剣からはボロボロと土が落ちている。 相反する属性で防御したのだろう、と、ガロンはふんでいた。 「では!主から倒すとしよう!」 咆哮。そして突撃。 ――だが、カロンの体は動かない。 カロンは視線を下ろしていくと、懐にリリスが居たことにようやく気づいた。 「影封呪(カゲフウジュ)……しばらく止まってください」 リリスはその短刀は、地面を、カロンの影を突き刺している。
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