■学園内大会本選

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  「甘いわ……」 その時、二人の上空から女性の声が聞こえた。 弾かれたように振り向くと、建物の上には一人の女性が立っていて、横には巨大な氷塊が浮かんでいる。 ――エイテルだ。 「氷塊の中に眠りなさい」 詠唱と共に、巨大な氷塊が動きだす。 その大きさは、リリスとリディアを軽く呑み込むだろう。 防御は不可能、回避は――詠唱の余韻で固まるリディアは不可能。 しかし、リディアを置いていけるはずもない。 「……!」 「リーダーがここにいるなんて……はぅ……」 二人は完全に諦めた様子で、せめてもと目を瞑った。 「――ネオジエロ!」 巨大な氷塊は、まるで隕石のように二人を襲いかかろうとしていた。 無情にも、氷はエイテルの笑い声と共に―― 「あら? え、……え? 氷塊が……砕けた?」 ――粉々に砕け散った。 代わりに、上空で散開した氷塊の奥から、二つの影が落ちてきた。 それはリリスとリディアにも見覚えのある影だ。 「ラスター!」 「しおん!」
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