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着地したラスターとシオンは、二人の側によって安堵の息を漏らした。
間に合ったな、と。
リリスに声をかけるラスターの隣で、シオンはリディアの体を起こした。
「大丈夫か? リディア」
「うん。ありがとう……」
「残りは一人か」
シオンは、建物の上に居るエイテルを注視している。
呆れたように笑うエイテルを。
「やれやれ、ね」
そう言ってエイテルは建物から飛び降り、着地の寸前に風魔法を放って衝撃を抑える。
ふわりとスカートを揺らして、エイテルは四人の前に立った。
「シオンさん、一対一をしません?」
「……ああ、構わないよ。女性を傷つけるのは心許ないけどね」
「では、お願いしますね♪」
「こちらこそ」
――氷塊を砕いたのは、俺もなのに……!
まるで自分なんて眼中にないといったエイテルの態度に、ラスターは拳を震わせていた。
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