■学園内大会本選

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  「最初から全力でいきますわ!」 エイテルは腰溜めにしていた剣を、体ごと投げ出すように突き出した。 視認できるかはギリギリ――それなのに、まるで読んでいたかのようにシオンは避けた。 「まだまだよ!」 そこから、剣が横に薙ぎ払われる。 しかし、シオンは左手に装着された手甲で受け止めた。 シオンは笑い―― 「受け身はしろよっ!」 その掌から、龍の形に見えるが放たれた。 風の魔法だろうか。 その瞬間、吹き飛ばされたエイテルは地面を転がった。 すぐに立ち上がり、正面を向くのだが、シオンを見失っている。 「いない……!」 「上から来るぞ! 気をつけろ! ……なんてな」 真上に飛び上がっているシオンの足が襲いかかる。 チリッと、エイテルの袖をかすめた。 寸の差でエイテルは避けていて、着地時の隙を見落とさずにレイピアで突こうとしている。 しかし、シオンはそれを手甲で受け流し、エイテルの両腕を捕まえた。 「す……、すげぇ……なんで余裕そうなんだよ……」 「エイテル先輩のレイピアも早いけど、シオン先輩の対応も素早いです……」 ラスターとリリスは戦う二人の姿を見て、驚いていた。 恐らく、二人なら最初の一撃か、次の薙ぎ払いで終わっていただろう。 「でも、シオンは遊んでるよ?」 リディアは素っ気なく言った。 「あ、あれで!?」 「うん。だってシオンの武器は――」リディアが言いかけた刹那、轟音が辺りに響き渡る。
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