■学園内大会本選

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  剣を突きつけたエイテルが、微笑を浮かべている。 そのレイピアから、螺旋をえがいた炎が放たれてシオンを襲ったのだ。 「っ……降参させようとしたんだけどな」 「焔よ、無数の矢となりて敵を射て」 エイテルの詠唱が響き渡る。 マナが瞬時に集まり、瓦礫の中に埋もれるシオンを目掛けて、    「喰らいなさい。フレアアロー」 矢の形をした炎が、シオンを貫こうと放たれた。 炎の尾を引きながら、迷うことなく一直線に伸びていく。 炎の矢がシオンの目先に届いた瞬間――爆発した。 「あはっ♪終わりね♪」 エイテルはレイピアを鞘に戻し、ラスター達の方へ向き直る。 「貴方達のリーダーは負けた。イコール、チームの敗北ね」 「……ああ、リーダーの負けだな」 それを聞いたラスターは笑っていた。 エイテルは眉根を寄せたが。 「油断大敵ってね」 エイテルの後ろに立っていたシオンが、左手の手刀で首を小突いた。 エイテルから、あっ、という呻きが漏れる。 しかし、糸が切れた人形のように、あっさりとエイテルの体が崩れ落ちた。 そして―― 『試合終了! Cチームの勝利です』 ああ、強い。圧倒的に強い。 シオンを見つめながら、ラスターは光悦とした表情をしていた。 圧倒的な強さを見せた男に、素直に驚嘆し、憧れている。 ただ、それだけだった。
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