【第一部】

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『月神光』と名乗った男性は、他の二人を手招きした。 どうやら先にあいさつなどは、したようだ。 「……出来たら、本名はさけたいな、と思ってたんだ」 と、一番体の大きい人が言った。 「初めまして。…タイピンです」 タイピンと名乗った、男性は私に右手を差し出す。 私も自分の右手を出し、握手した。 「……よろしくです」 もう一人の、少し私より背の低い男の子が雄斗の前に来て、 「GENKIって言います。よろしく!」 と言い、同じく握手をした。 「あらためて、皆さん来てくれてありがとうございます。……タユです。よろしくお願いします」 私は、そう言い終わると泣きだした。 「どうしたの?!大丈夫?!」 三人が心配そうに、私へ声をかける。 私は、 「大丈夫ですよ。……ただ、皆さんが来てくれるなんて思ってなかったんで……嬉しくて……嬉しくて………」 私はしばらく、その場で泣いていた。
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