【第一部】

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時々だが、起きたら自分が誰か分からないことがある。 何もかもが分からなくて、しばらくは『ぼーっ』っとしてて……。 さっきは、そんな感じだったのかもしれない。 私はそう思うことにした。 「あった………」 私は携帯からインターネットへと、アクセスしたのだ。 そして、サイトにつくとすぐに、顔も本名も知らない友達に連絡した。 「……たのむっ!!………誰かっ!………」 私は携帯を握り締め、祈るように、 「誰か………誰か……」 と、泣きながら呟いた。 携帯が鳴る。 ――――バッ 私は顔を上げた。 携帯には、メールの知らせが来ていた。 「っ……」 目から、大粒の涙が床に落ちた。 「はっ……あっぐっ…」 私は涙を拭い、携帯の画面を見た。
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