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━━━━━その日の…★
夕陽は、いつもより、透き通るトキ色に輝き、母が微笑むような温かさがあった。
「はるまさま。毎日きて、待っててくれたなんて、ありがとう」
と、私は、お礼だけはいわないとと、告げると、
『今日みたいな透き通った夕陽は、あの日以来みられなかったから、おいらも嬉しいよ』
と、あえて毎日きていたことをいわずに、再会を喜ぶ、はるま。
「また、あえるかなぁ・・・」
と、小さな声をしぼりだす私。
『あっ、おいらの家は、平群の里だから、遊びに来れたらおいで』
小さく私は頷き、
「私は香芝・・・、少し遠いっ。歩いてはいけない」
と、寂しそうにつぶやく私をみて、
はるまは、
『宿の近くまで送ってあげるよ。じゃあ、香芝にいくことがあったら、訪ねてみるね』
と、いいながら、若駒の背中に私を乗せ、いった。
「はい、お待ちしてます」
声が弾んでしまうと同時に、耳が熱くなるのを感じた私がいた。
『さあ、背中にしっかり捕まってるんだよ』
と、いうや、若駒を駆け出させる悠馬。
「はい、はるまさま」
と、いいながら、悠馬の背中の大きさとぬくもりを感じ、
“私、はるまさまの妻になりたい”と、贅沢な感情が芽生える私であった。
━━━━━つづく…★
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ここに登場した。
悠馬は、いま進行し、仲良くリアルでもしている女性です。
みはるが、悠陽です。
ものがたりは、まだ続くのですが、
ひと息いれることにする。後日綴りますから、しばらくお待ちくださいね。
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『お知らせ』
この時代の前世は、現在みえつつあり、逐次追加するために、
「花咲く旅路」というタイトルで、別冊を綴ることにした。
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