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遠方に雪を頂きにいだき空を突き刺すように聳える山々が、西側、南側に眺められる土地に、私が6年だけ過ごした国が存在していた。
その国は、今からさかのぼること、約5000年ほど前に、わずか20年ほど栄えた小さな国であった。
私は、その国の3代目の王になるために生を受けていたのだが、
その6才の私の誕生日に私の運命は一変してしまったのであるが、
その日、小さいか、設備の整った王宮の厨房は忙しかった。
私の誕生日の宴を近隣諸侯を迎え昼間に、臣下たちとの宴を夜に、催されることになっていたからである。
昼間の宴が何事もなく終わりを告げ、夜の宴を行なうべく、臣下の家人が厨房で忙しく動きながら
「王さま、妃さま、お慶びでしょうね」と口々に会話しながら、笑顔が飛びかっていた。
数時間後、ここが血の海になるとも知らずに、臣下が、正装に着飾り、続々と王宮に、誕生祝いを持参し集まり出していたのである。
が、どことなく、宰相は、こういうときほど警備をおろそかにしてはならぬと、慶事の笑顔の瞳の奥は鋭く緊張していた。が、警備を3割減らして、精鋭だけの薄いものにするよう指示したためであった。
━━━━━つづく…★
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