12月18日(木)

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「なんで 私には彼氏いないんだろうなぁ… こんな いい女 ほかにはいないのに…」 雪乃は 曇りガラスに へのへのもへじ を書いた。 「桜木…」 「桜木…」 教壇からの飯島先生の声 「だいたいさ~ この学校には かっこいい男はいないのよね~ だからわたし…………」 背中を鋭いもので突き刺す感覚と同時に 「雪乃… 雪乃…先生っ!」 田辺光一のつぶやく声に はっとおどろき立ち上がる。 「すいません 彼氏いません。」 とっさに出た言葉に教室は一瞬静まり 次に教室全体が笑いの渦にまきこまれた。 雪乃は自分で言った言葉に 自ら驚き 色白の頬が赤みがかる。 「桜木 まだ 人生長いから いい出会いがあるさ」 飯島先生もフォローしたつもりなのだが…ますます 笑いに巻き込まれていった。 雪乃はただただ笑うしかなく 席についた。 「キンコンカン…」 雪乃にとって 飯島先生のフォローより 終業のチャイムの方が救いに聞こえた。 さっそく 岬が雪乃の前の席に 笑いをこらえながらやってきた。 「なによ~?」 雪乃は ホッペを膨らまし 岬にあたる。 「どうせ バカにしにきたんでしょう?」
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