35人が本棚に入れています
本棚に追加
「まぁまぁまぁ よくある事じゃん 気にしないの」
いつもの岬の態度ではない。
雪乃は 岬にバカにされると思っていた。
「よくある事じゃないもん。
めちゃくちゃ 恥ずかしいもん」
雪乃はまた ホッペを膨らませた。
すると 岬が急に立ち上がり。
「桜木 人生長いから いい出会いもあるさ」
飯島先生の物真似をしながら ツン と 雪乃の膨らんだホッペをつつき 拍手をしながら笑った。
「ブッ」
つつかれた雪乃は息を吐き出し 仕方なく 泣き笑い。
やはり 岬がそんなフォローしてくれるはずない。
「岬~ バカにするなら 彼氏の愚痴聞いてあげないよ!」
「え~ わかりました お代官さま~ 勘弁すてくだせ~」
岬は拍手して笑っていた手を合わせ ペコペコ。
雪乃もいつも岬に負けているだけではない。
岬の弱い所も 心得ている。
「それより 雪乃 次は理科室だよ」
あっさり
岬の切り替えの早いのも 雪乃は心得ている。
「は~い」
やはり 主導権は岬に握られていた。
素直に理科の用意をする雪乃。
そして 席をたちまた 窓に目を…
いまにも降り出しそうな雲の手前で へのへのもへじ が笑っていた。
最初のコメントを投稿しよう!