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雪乃は マグカップと皿を流し台に入れ 二階に駆け上がる。
「えと… バッシュとカバンと… よしっ!OK」
再び階段を駆け下り玄関にそろえてある靴につま先をチョンといれ
母から昨年のクリスマスプレゼントにもらった 真っ白なマフラーと ボンボンのついた手袋をはめ 扉を開いいたとたんに
「ワンワン」
餌を待ちかねていた ロンが尻尾を振って待っていた。
「おはよ ロン!」
「あっ! 餌だぁ~」
すっかり忘れていた雪乃は 玄関にカバンとバッシュを置き 手袋を外してカバンの上に置き げた箱の上に置いてあるドッグフードをカップ一杯すくい ロンに与えた。
「はい ロン 餌だよ」
雪乃は 再びカバンとバッシュをかかえ 真っ白な手袋をして扉の鍵をしめた。
「ロン いってくるね」
さすがに12月の寒さに雪乃は手を合わせ手袋の上から息を吹きかけた。
雪乃の息は白くきえていった。
真っ白だった手袋は 右手の薬指の先がほつれかけていた。
「寒いな~ 新しい手袋ほしいな~」
今にも降り出しそうな どんよりした低い雲がたちこめていた。
時間は6:40
雪乃は 学校へと歩き始めた。
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