12月18日(木)

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「ガラガラ」 担任の飯島先生がはいってくると同時に 学級委員の高橋龍一の号令で全員立ち上がる。 「礼」 「おはようございます」 「着席」 8:30 雪乃はポニーテールをしばり直しながら話を聞いている。 一時間目 は国語 担任の飯島先生は国語の教師なので 朝の会の流れで授業にはいる。 「教科書ね135ページを開いて え~二学期も残りわずかだが 今日から 源氏物語にはいる テストにだすから………………… …………。」 教壇から流れてくる先生の声は雪乃には聞こえなかった。 雪乃は 曇った窓ガラスを手で拭い どんよりとした低い雲を眺めていた。 確かに こんな天気の日は 気持ちまでブルーになる。 「彼氏かぁ… 岬はいいなぁ 一個上の彼氏いて… 同じ学校だし… 喧嘩っていっても 最後はのろけ話になるだろうし… わたしも 彼氏ほしぃなぁ………」 今の雪乃には テストの範囲の勉強より 彼氏欲しさの方が重要らしい。 桜木雪乃 いたって平凡な高校一年生 特に美人ではないが 色白でポニーテールが似合う 可愛らしい女の子。 中学2年の時には 彼氏はいたが 手も握らないような純粋な恋はしたことはある。
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