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「ん……?」
私はうっすらと目を開けた。
「だいたい、雪代先生はいつもいつも勝手すぎなんですよ」
「菊池さん顔怖いですよ?」
「……誰のせいだと思ってるんですか?」
誰かの声が聞こえる。
上体を起こして声のする方を見た。
「……湊」
私の声を聞いて、湊はにっこりと微笑んむ。
「おはよう、琴。すっかり直ったみたいだね」
そっか私また壊れたのか。
まだ半分起動していない頭で考える。
「湊?」
「どうかした?」
「ごめんなさい……私が湊の言い付けを守らなかったから……」
私のせいで湊に迷惑がかかってしまった。
「シケた面してんじゃねーぞー」
落ち込む琴を見て、湊の隣にいた男が言った。
「あれ?菊池さん?」
「よ、チビガキ」
私を見て軽く手を振る彼はスーツ姿にネクタイと、いかにもエリートな格好。
そしてハニーブラウンの髪と整った顔だちが品の良さを醸し出していた。
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