駄菓子の「たけや」

9/29
前へ
/237ページ
次へ
「じゃっかしいわぁぁぁ!この○○ども!」 開口一番、そのおばぁさんは、伏せ字表現をからませながら、怒鳴りつけてきた。 長い白髪は、後ろで軽くゴムでとめられているものの、ざんばらに乱れ。 全身から、凄まじい気迫とオーラを立ち上らせ、とても不機嫌そうだ。 しわくちゃの顔に切れ長の目は、射抜かれるように鋭い。 寝起きなのか、着衣はキャミソール一枚だった。 これ以上は細かい描写を避けたい、嫌な意味で目のやり場に困る格好だ。 「ババァが皆早起きだと思ったら、大間違いだよ!それをなんだい!キーキーと○○みたいに!うるっさいわ!」 一際声のボリュームを上げ、まくしたてるおばぁさん。 その振動だけで天井からは埃が落ち、ガラスには若干のヒビが入った。 「ほら、急に黙っちまってどうしたんだい!?○○○がぁ!さっきみたいに、勢いはどうしたんだい!理由があるんならこのババが聞いてやるさね!」 しばしの沈黙。 驚きすくむ私達に、こんな戦国猛将のような人間に、どうして立ち向かっていけようか!? 「あ、あの、ばばさ…実はね…」 三人組の一番おとなしい少年が、勇気ある一歩を踏み出したが…
/237ページ

最初のコメントを投稿しよう!

520人が本棚に入れています
本棚に追加