520人が本棚に入れています
本棚に追加
ふと、会話が途切れる。
電話口から、ハーイだの、今行くよー、とユッコの声。
「ゴメーン、真悠ちゃん。お昼ご飯できたみたい。」
「あぁ、そういやそんな時間だったわね。うん、そんじゃ、また今度ね。」
「うん。じゃあね~。」
ケータイをきる。
すると、自分も急にお腹が空いたように感じた。
何か、適当な食べ物屋…
ざっと見回すと、一軒の駄菓子屋を見つけた。
昭和の雰囲気、とてつもないレトロな感じが強く匂う建物。
駅からは、かなり歩いた。
決して、よい立地条件の場所ではない。
そういった諸々に、興味をそそられる。
お腹が空いた、とは言ったものの、何かをつまんで小腹を満たしたい程度だ。
ちょうどいい。
ダイエットにもなるだろうし。
さて、そうと決まれば話は早い。
足取りは、どんどんその駄菓子屋に進んでいく。
近くにきてわかったのだが、意外に小さい建物だ。
しかし、中には所狭しと様々な物が並んでいるのが見える。
人の気配は…
ない。
感じられない。
違和感を感じ、もう一度確認。
のれんは出ている。
店名が、でかでかと書かれていた。
「駄菓子のたけや」
最初のコメントを投稿しよう!