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「……明日……近藤さんや土方さんにはご挨拶に伺います」
ぺこりと頭を下げ、足早やに去っていく。
「なんかちがっていたな」
「ですね。一月も京にいて、何の手紙も来なかったし……」
「まあ、どっかに奉公に出てるんだろうよ。気軽に誰かに会いにいける場所……じゃないのかもな」
「……………」
二人は疑問を持ちながらも屯所へと戻っていく。
「聞いたか?
昨夜も現れたそうだ。人斬”仏御前”が……」
土方が頭を抱えて言う。
目下、新撰組が気にかけねばならない相手……。
”人斬り仏御前”
男か女かも解らず、人目につく時は仮面を付けている。
凄腕でありながら、その名も付けて伝わらず、故についた名が”仏御前”。
文字通り仏の山を築くから……だとか。
捜そうにも、神出鬼没で特徴もない。探しようがないのだ。
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