再会

5/9
前へ
/149ページ
次へ
「……明日……近藤さんや土方さんにはご挨拶に伺います」 ぺこりと頭を下げ、足早やに去っていく。 「なんかちがっていたな」 「ですね。一月も京にいて、何の手紙も来なかったし……」 「まあ、どっかに奉公に出てるんだろうよ。気軽に誰かに会いにいける場所……じゃないのかもな」 「……………」 二人は疑問を持ちながらも屯所へと戻っていく。 「聞いたか? 昨夜も現れたそうだ。人斬”仏御前”が……」 土方が頭を抱えて言う。 目下、新撰組が気にかけねばならない相手……。 ”人斬り仏御前” 男か女かも解らず、人目につく時は仮面を付けている。 凄腕でありながら、その名も付けて伝わらず、故についた名が”仏御前”。 文字通り仏の山を築くから……だとか。 捜そうにも、神出鬼没で特徴もない。探しようがないのだ。
/149ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1011人が本棚に入れています
本棚に追加