プロローグ

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「めっちゃええ天気やん!」 時は四月。 桜が咲き誇る並木道を歩く一人の少年が大声をあげた。 彼の名前はジン・ラティカ。 ジンは茶色で前髪を横に流している髪、目は青色で恵まれた容姿をしていた。 彼は今日から、この並木道の奥にそびえ立つセナラ魔法学院に通う新入生だ。 セナラ魔法学院は全寮制であり、並木道は学院と寮を結ぶ道である。 その並木道にはジンと同じ制服を身にまとった少年、少女がたくさんいた。 彼が誰かに声をかけてみようか、迷っていると…。 「あの…」 後ろから声をかけられたのでジンは迷いなく振り向くと、そこには肩まで伸ばした黒髪をなびかせる可愛い、といった印象を与える少女がいた。 「よかったらお友達になってもらえませんか?」 恥ずかしそうに話す少女に、ジンは笑顔で答えた。 「もちろんやで。俺の名前はジン・ラティカ。君は?」 「リュリ・カフェルです。よろしくお願いします」 リュリと名乗った少女は礼儀正しく頭を下げた。
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