16人が本棚に入れています
本棚に追加
「夏だー!!!!」
「海だー!!!!」
飛行機に乗って2時間ほど、
私は、飛行機に乗った時の耳なりで頭痛がし、フラフラと飛行機の階段を下りた。
後ろから、しょうが、危なっかしげに私を支えた。
ゆうとなおきは、2人でキャッキャとハシャいでいた。
見たく無い。
そんな気持ちもまた、私の頭痛を酷くさせた。
「ホテルへーレッツゴー!!」
そんな私に気付きもせず、ゆうは沖縄の開放感にテンションを上げた。
「あやちゃん、大丈夫?」
「あや、顔色悪いぞ」
なおきとしょうが、同時に声を上げた。
私は、無意識になおきに向かって、「大丈夫、」と言った。
なおきが気にかけてくれた
そう思うと、ガンガンと響いていた頭痛が柔らかくなった気がした。
「ゆうー」
なおきがゆうを呼ぶ。
「あや」じゃなく「ゆう」と呼ぶ。
何故、私じゃないんだろう…。
「あやちゃん、行こうか」
しょうが私の手を引いてくれた。
この手に逃げることが出来たら、どんなに楽なんだろう。
私達は見知らぬ土地に、四苦八苦しながら、やっとのことでホテルにたどり着いた。
道ゆく人に聞いてみたが、「£%#&*☆§@さー」と、聞き取れなかった。
「だー!!!疲れたー」
なおきは部屋に着くなり、大股を開いて、へたりこんだ。
「なーに言ってんの!行こうよ!海!」
ゆうは元気にそう言った。
「ちょ、煙草吸わして…」
「あ、あたしも…っ」
ゆう以外のみんなは、もう、休憩モードだ。
「みんなだらしないなー」とゆうは1人、ぷんすかと怒りだした。
「ま、お前も座れや」
なおきがゆうに言うと「はーい」と頬を膨らましながらゆうは座って煙草を吸い出した。
「やーっぱ綺麗だね!海!」
窓からは海が見える。
「だな!」
「だね!」
「綺麗だな!」
私の言葉に、3人とも相づちをうつ。
最初のコメントを投稿しよう!