夏。

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「休憩!もういいでしょ!着替えようよ!」 「だな」 「「うん」」 私達は水着へと着替え始めた。 「「「何その水着ー!!!!」」」 ゆうが水着で登場した時は、みんな一斉に声を上げた。 「え?」 と、ゆうはすっとんきょうな声を出す。 ゆうの水着は、オレンジ色の、テラテラと光る素材の生地だった。 「ゆう、それは無いよ…」 「ゆう、あんた何になりたいの?」 「ゆうちゃん、何目指してんの?」 ケラケラと笑う私達を見て「可愛いじゃん」と頬を膨らませてぶつくさと文句を言うゆうが居た。 「行くぞー!」 「海ー!!」 ゆうとなおきは元気に海へと飛び出して行く。 私は、潮の満ち引きを楽しむ為、砂利の上に足を延ばして座った。 隣に、しょうが腰掛けた。 しょうと私は、結構、いろんな所で気が合う。 喋り口調や、煙草の吸うタイミング、ほんの些細な事。 しょうと私は似てるんじゃないかな。 ゆうとなおきは沖合でバシャバシャと水の掛け合いっこをして、キャッキャとハシャいでいた。 遠目で、私はそれを見る。 「ねぇ。」 「んー?」 「あれ。する?」 と、私はなおきとゆうの方を指差した。 「座ってる方が落ち着く。」 「だよね。」 ケラケラと笑いが漏れた。 しょうと、向き合ってみようかな、 逃げてばかりじゃ 前に進め無いじゃない、私。 ゆうとなおきは恋人同士。 なおきと私は幼なじみ。 勝ち目、無いじゃない。
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