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「ヒュ~。熱いね!そこ!何喋ってんのー?」
海から上がってきたなおきが言った。
後ろから、ゆうも着いてくる。
「愛の告白。」
…!!
目を丸くしてしょうを見た。
「え!付き合うの!?」
なおきが言った。
「解んない。」
私が言った。
「俺は全力で行く。」
しょうは真っ直ぐなおきを見て、なおきも真っ直ぐしょうを見た。
何故だか2人が喧嘩でもするんじゃないか、そんな気配すら漂ってきた。
「あや!付き合うのか?」
なおきが不意に私に聞く。
「だから解んないんだってば!あ、あたし好きな人居るし!」
「えー!!誰!?聞いた事なぁい!」
ゆうが少し寂しそうに言う。
ゆう、あなたのものが、私の好きな人。
「だってさ!」
なおきが何故か不機嫌にしょうに言う。
あんたにはゆうが居るでしょ。
しょうが幸せになるのそんなに不快なの?
「それも知った上で告白した。」
「ヒュ~!やるじゃん!しょう君!」
ゆうが茶化すように言う。
「付き合っちゃえば?」
なおきが私に言う。
私の気も知らないで。
簡単にそんなこと、私に言うんだ?
「解った。」
私の気持ちなんてみんな無視で、ただ、しょうの告白だけが受け入れられる。
「「カップル成立ー!!」」
と叫びながら、ゆうとなおきはまた沖合へと走って行く。
「幸せにするから。」
しょうに頭を撫でられた。私は、無言のまま、コクリと頷き、顔は上げないまま、俯いた。
涙が流れた。
「何で恋愛ってうまくいかないんだろう…」
ただ、静かに、涙が、流れた。
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