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ゆうとなおきが付き合いだしてからも、なおきから出てくる話題はあやの事ばかりだった。
「昨日は風呂で寝て溺れたらしい」
ケラケラと笑いながらなおきは言う。
「なぁ。なおき」
「何だ?」
「ゆうちゃんと居て楽しい?」
疑問だった。
ゆうの話をするのかと思っていたけど、依然、なおきの口から出るのはあやの話ばかりだった。
「ゆう?あぁ、楽しいぜ。でも普通の女の子って感じ。テンションの高さにはびっくりしたけどな。あやと正反対。見てて飽きないのはあやに勝る奴はいねぇ」
と言ってまた、ケラケラと笑い出した。
ゆうの話をしたのに、また、あやの話が出てきた。
こいつは気付いて無いだけで、あやの事を好きなのかもしれない。
「旅行行きてーなー」
夏休みも間近になり、俺は話題を変える為、そんな事を呟いた。
「旅行?」
なおきは少し黙ったあと、こんな事を言った。
「行こうぜ!旅行!俺とゆうとお前とあやで。」
「4人で!?」
「そっ。4人♪」
4人なら不思議じゃ無いし、あやも来ると言う。あやと喋れる、打ってつけの理由じゃないか。
「行こうぜ」
俺は悩む事もなく、なおきの提案に賛同した。
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