story by しょう

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今日は旅行の話を決めるから、「いつものマックに来い」となおきに言われた。 なおきはいつも、あやとゆうにくっ付いて帰るらしい。 ゆうとなおきが帰るもんだと思ったが、ゆうは「いつものようにあやも一緒じゃなきゃ嫌だ!」と言うそうだ。 ゆうは、相当あやの事が好きと見る。 あやの彼女 なおきがそう言うのも解った気がした。 「あ!しょう!」 なおきが手を挙げ、俺の行く場所を知らせてくれる。 「沖縄」 「いいねぇ」 沖縄なら海が綺麗だろうな。 「えっ?4人で行くの?!」 あれ? あやは聞いて無いのか? 「そ♪」 「ねー♪」 なおきはゆうには伝えたものの、あやには伝えてないようだった。 「しょうとあや付き合っちゃえよ」 …ーバン!!!! なおきがそう言うと、あやは勢い良く机を叩きつけ、「なんでしょう君とあたしが付き合わなきゃいけないのよ!帰る!!」と言って店を出て行ってしまった。 「おい、なおき、あやちゃんに謝りに行けよ。今のタイミング悪すぎ。旅行の話もしてなかったんだろ?あやちゃんの気持ち全く無視されてんじゃん。誰でも怒るって。」 「いーのいーの!放っておいたら明日には直ってるよ」 「あや、相当キレてたよ、あたしあんなあや見たこと無い」 もー 「俺、行ってくる」 なおきの勝手さに少し呆れた。あやにだって選択肢はある。なおきは自分勝手にあやを振り回しすぎだ。 俺は小走りにあやを追いかけた。 「あやちゃーん」 呼ぶと、振り向く訳でもなく、あやはゆっくりと歩いていた。 「あやちゃん、ごめんね、気分悪くさせて」 そう言うと、「しょう君が謝る必要無いじゃん?」と、サラっと返ってきた。 それもそうだと俺も思うんだけど… 「なんか、俺と付き合うってなったとたん怒りだしたから」 「他人にどうこう言われるのが腹立たっただけ」 そりゃそうだ。 あやにだって気持ちはある。有無を言わさず旅行に参加させられたり、付き合う相手も勝手に決められたとなっちゃぁ、誰だって気分を悪くする。 なおきは自分勝手過ぎた。 「ねぇ」 不意にあやが口を開いた。 「なおきはゆうを好きなの?」 それはなおきに対する気持ちなのか、ゆうを大切に思う気持ちなのか、はっきり解らなかったが、あやはどうやら、2人の事が気になるようだ。
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