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「あや!付き合うのか?」
心無しか、なおきの顔が赤く染まった気がした。
「だから解んないんだってば!あ、あたし!好きな人居るし!」
なおき、お前だよ。鈍いんだよ、お前は。
「えー!!誰!?聞いた事なぁい!」
と、ゆうは不満そうに言う。
あやは、その言葉を、どういう気持ちで受け止めただろう。
「だってさ!」
なおきは俺に言った。
「それも知った上で告白した。」
「ヒュ~!やるじゃん!しょう君!」
ゆうが茶化しを入れてくる。
「付き合っちゃえば?」
となおきはあやに言う。
あやは今、何を考え、その言葉をどう受け止め、何を思った?
「解った」
あやは言った。
好きな男に、俺と付き合えと言われ、解った、とあやは言った。
「「カップル成立ー!!」」
なおきとゆうが並んで歩く姿を、いつも隣で見て何を思う?
「幸せにするから」
俺はあやの頭を撫でた。「よく頑張ったな、」と。
あやは俯いたまま、「何で恋愛ってうまくいかないんだろう」と呟いた。
あやの心の痛みはどれほどなのだろう。
今まで、どれだけの我慢を強いられた?
俯いたあやの足元に、雨が降った。
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