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「お酒、弱いの?」
「飲む習慣が無い」
「そっか。じゃぁ始めの1杯だけで止めよっか。ゆうもね!」
ゆうを見ると、案の定、真っ赤になっていた。
「はぁぁい」
なんて気の抜けるような返事が返ってきた。
「なおきも!酔っ払っちゃダメだよ!ゆうの介抱しなくちゃダメなんだから!」
「あやはしょうの介抱か」
ニヤニヤと笑いながらなおきは言う。
「そ!う!お互い程ほどにね!」
「解った」
なおきは物足りないのか、少しふてくされて返事をしたが、ゆうが酔っ払って叫び出した頃には、すっかり私の言う通り、飲んでる場合じゃ無くなった。
「もういっぱいー!」とだだをこねるゆうに、なおきは「もー!」と言いながら烏龍茶を入れてきて、「ウーロンハイだ!お前はそれでも飲んどけ!」と怒鳴るなおきが可笑しくって、笑いが止まらなかった。
しょうを見ると、眠たそうに目をこすっていた。
なんだかその仕草が少し可愛いく見えた。
「そろそろ部屋戻ろっか。」
「あぁ!そうしてくれ!」
グテーンと寄りかかってくるゆうを支えながらなおきは言った。
なおきがイライラしてるのが可笑しくて、「戻ろっか」とゲラゲラ笑いながら言った。
「しょう君?行こう?」
半分寝かかっているしょうの肩を優しく叩き、手を引いて部屋へと促した。
なおきは「うるぁ!」と叫んだかと思うと、ゆうを背中に乗せ、おんぶをした。
「大変そうだね」
ケラケラと笑って言うと「あぁ!んっとに!」とイライラと返ってきた。
座敷に着くと、しょうはすぐに布団に倒れ込み、なおきはゆうを布団に投げ捨て、スヤスヤと2人が寝てる姿を見て、「つ、疲れた…」となおきは言った。
「寝る場所無くなっちゃったね」
笑いながら言うと、
「うし!あや!飲み直しだ!」
と言って冷蔵庫から缶ビールを取り出した。
「いつの間にビールなんか入れたの」
「着いてすぐだ!」
「なおきはビールバカだからなー」
「あやもだろ」
笑いながら、私達は乾杯をした。
「懐かしいな」
「ほんと」
なおきとゆうが付き合いだしてから、私はなおきの部屋に行くのを止めた。
なおきも、私の部屋に来る事が少なくなった。
久しぶり。
ほんと。久しぶり。
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